2017年12月30日

2017追補

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カスタム工房とはいえ、今年は新規の型が多くて、毎回が新製品の状態でした。
他にも製作イベントや突発の作業、思い付き試作などがあって、「1年長かったなぁ」というのが正直な感想です。

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エレキのボディ。クリア吹き・研磨のみなんてのもありました。

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次に超カスタム品をご紹介。春の多忙期の完成だったので、取り上げそこなっていました。

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オーダー主様ご希望のボディ型。ウチのタイプ的には「Model 171」としています。
主要材はワンピースネックを含め、お客様調達の持ち込み。赤い指板・ブリッジは「サティーネ」、バック&サイドは「黒柿」、トップは「屋久杉」とのこと。
バインディングは「孟宗竹」。

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扱いがむずかしいので、材の持ち込み一般に避けられがちですが、レア材は私も勉強になるし、お客様には「丁寧に作ります/ちょっと割れても不自然さがないように努力すると理解・信頼していただけるなら」といった説明のうえ、今のところお受けすることにしています。

オリジナルの型は別料金ですが、これも、基本設計(スケール、ブレイシング位置など)が変わるほど極端なものでなければ、今のところお受けすることにしています。

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ネックのヒール形状も超個性的。ハイポジションへのアクセスと剛性、スムースなカーヴを両立したオリジナル加工です。

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ヘッドは白蝶貝インレイで、高盛り(ポッティング加工)も施されています。
塗装は20%つや消し。ペグ/ペグボタンもお客様持ち込みでした。

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黒柿の柄の位置にもこだわり、シミュレーション画像でやりとりをしながら確定させてゆきます。

なお、すでにいくつか個性的な楽器を準備していますので、来年も気が向いたら拙ブログにお立ち寄りくださいませ。

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長い1年ではありましたが、年末のテレビでこのキャラを見ると「もう1年たったかぁ」とも思います。

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太秦の俳優「岸大介」さん(ダイアン西澤)。そういえば、県医大の学園祭に行ったなぁ。(ダイアン、天竺鼠、アインシュタイン)

来年も良いお年を。
<以上>
posted by Satoshi Orisaka at 06:11| 製作

2017年11月30日

ヤマハ掛川工場見学など

11/18;明日香村農林商工祭、縁あって提出した「おやゆびピアノ」が「生活手作り賞」入賞(3名。特賞などはなし)。
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賞状と現金*千円ゲット。
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同日、奈良県森林技術センター(お隣の高取町)「森と木の一日体験」見学。吉野杉を使ったバイオリンの演奏会など。
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吉野杉と吉野桧の割り箸をゲット。
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11/19:始発に乗って、9時過ぎに航空自衛隊岐阜基地到着。最近は手荷物検査なんてあるんですね。
武器を山ほど持ってるくせに、一般市民にビビるなんてカッコ悪い!と思うのは私だけだろうか。

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地上展示機が少なく、小雨まじりの天候のためブルーインパルスの演目も地味でしたが、

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レッドブル・エアレース世界王者・室屋義秀さんの曲技飛行が絶品! 

機体(エクストラ330SC)の機動性、サウンド、近さ・サイズ感が合わさり、迫力満点でした。
T-4なんて練習機ではなく、むしろこっちの機体でブルーインパルスを組んでほしいくらいだ。もしくはF-35Bで頼む。


11/20:静岡県掛川市。
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ヤマハ掛川工場・ハーモニープラザ展示室。
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工場見学は要予約で1日2回。各回20名まで。[ピアノ工場見学のご案内
ヤマハ概要ビデオ鑑賞やその他説明などで30分。残りの1時間で、グランドピアノの最終組み立て工程の1棟を見学できる。掛川工場全体の20%くらい、といったところか。
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まぁ、ライン製造の工場なもので、オモロいことはないが(むしろ、労働者目線だと身につまされる点の方が多い)、いい刺激になりました。
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見学記念のアクセサリをゲット。
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最寄りの天竜浜名湖鉄道・桜木駅。いい味出してる駅舎だ。ちなみに、私みたいに安宿に泊まって天浜鉄道でピアノを見に来る貧乏人は少ないように思われる。
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そして、名古屋で以前お世話になった方とお会いして示唆・激励などゲット(?)し、明日香村に帰着したのでした。

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3日間も工房から離れた分、超過密・集中作業で来年展示会分を製作。前腕と手が疲れて、楽器を弾く気が全く起きません...。。
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<以上>
posted by Satoshi Orisaka at 06:39| 日記

2017年11月12日

第69回正倉院展

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吉川英治のエッセイ「正倉院展を観る」(1959)に、
「なんについてもいえることだが美術工芸も時とともに堕落と迷いの一方をたどってきたといっていい。」
という一節があるのですが、実際そう思えてくるくらいに見応えがあります。

そして、宝物群はいかに装飾的であっても、基本は用具・実用品だということが、正倉院展のおもしろみです。

ところで、京都では「国宝展」が盛況だそうですが、正倉院宝物に「国宝」は一切ありません。
『宮内庁による十分な「管理」が行われている』という見解から、建物以外すべて文化財保護法の対象外になっているのだとか。深いなぁ。
(以下、画像は展示会パンフ、非公式twitterから)

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漆槽箜篌 [うるしそうのくご]
「くご」はいわゆる竪琴/ハープ。収蔵品と復元品。
ペグもあるし、弦をひっかけるヒッチピン(ギターのナットに相当)もそなえた、けっこうまともな楽器だ。

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ギドン・クレーメル&吉野直子という超攻撃型タッグの癒し系アルバム『Insomnia (眠れない夜)』収録、高橋悠治作曲 「ヴァイオリンと声と箜篌のための版」では、箜篌の音色をたっぷり14分も聴くことができます。

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木画螺鈿双六局 [もくがらでんのすごろくきょく]
一部、ガラス玉か何かで3mmほどの丸を隆起させているのが確認できる。

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今回の展示ではないけど、似た感じの琴(檜和琴・ひのきのわごん)と、作者が一緒だったりするのかなぁ、などと想像するのも楽しい。

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碧地金銀絵箱 [へきじきんぎんえのはこ]
傑作ぞろいの絵箱カテゴリーのなかで、本作は写真だと地味な印象だったが、実物は、絶妙な色彩感がとろけるほどの魅力をかもしだす絶品でした。
見た瞬間、あやうく尿道括約筋がブレイクダウンしそうになっちまいました。

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最勝王経帙 [さいしょうおうきょうのちつ]
正倉院収蔵物の中でも人気の一品。写真だとエンジ色&金色っぽくみえるが、もともと紫&白だったらしい。

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迦陵頻伽(かりょうびんが)という人面鳥身の極楽浄土キャラが中心に描かれている。
俯瞰でとらえれば傑出した見栄えですが、ここだけ見ると、ファミコンのドット絵みたいでもある。

余談ですが、1980年前後に「上田知華+カリョービン」という、ボーカル/ピアノ+弦楽四重奏という異色のグループが活動していて、私も結構好きだったのですが、その「カリョービン」はこれが由来。こんなところで元ネタに出会えるとは。

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メインどころ以外で印象に残ったのは「綾継分房付幡等」(あやのつぎわけふさつきばん)。
(おことわり:第127号櫃 第25号、第129号櫃 第104号、あたりがごっちゃになっているかも)
写真では全く伝わらないけど、細密で独特な色彩の中に、現代でも通用するエンブレム風の意匠が組み込まれている。

ということで、今年はじゅうぶん満足できる正倉院展でした。
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エルボーカット加工がようやく終了。
トップ/曲面サイド/そこを45度カット/フレイムメイプル貼り合わせ/さらにバインド、アバロン、白黒パフリング...と、さすがにこれは手間がかかります...。
<以上>
posted by Satoshi Orisaka at 03:18| 地域