2017年09月30日

ロングネック

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ウクレレにはソプラノ(弦長約350mm)、コンサート(約380mm)、テナー(約430mm)、バリトン(約510mm)といった4つの種類があります。

軽やかな音やサイズの小ささもポイントであるウクレレには、これら4種をつなぐ「ロングネック」というジャンルがあり、ソプラノのボディにコンサートのスケール、といった組み合わせが一般的です。

明日香弦楽器の製品としては「ソプラノボディ/コンサートスケール」でのWeb掲載モデルはありませんが、試作・お遊び製作をしたことはあります。

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34フレット、Fホール、18フレットジョイント仕様の「ソプラノ/コンサート」モデル。何フレットでジョイントするかによって、ブリッジ位置もふくめ、印象が変わってきます

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ほぼホームセンターで売っている材でつくった「ソプラノ/コンサート」スタイル。15フレットジョイント。雑にあつかえるので台所で愛用中。

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ついでに、これはイントネーションのチェック用に作った「ソプラノボディ/テナースケール」。18フレットジョイント。

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今年製作した正規モデルで、コンサートボディ/テナースケールの「U23」。軽やかな音、スマートなルックスで気に入っています。

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そして、先日完成したオーダー品は、ソプラノボディよりひとまわり小さいボディとソプラノスケールを組み合わせた「U01」モデル。
世間には「ポケットウクレレ」的なミニウクレレもありますが、専用弦を使用するものが多いかも。
今回は弦間隔やスケールはノーマルなので一般性があり、私もノリでオーダーをお受けしたわけです。

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弦とフレットの向こう側で躍動する蝶のインレイ。お客様希望を指板・フレット位置に合わせてアレンジしたシェイプです。

そんなこんなで、いろいろなバリエーションが組めるウクレレの世界ですが、最近、図面や型、冶具の整理が大変になってきています...。

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ギターもバリバリ製作中! オーダー分と展示会分の同時進行。

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ウチの裏手。彼岸花の時期もほぼ終わり。気候もいい具合になってきたので、落ちついて作業に集中できそうです。
<以上>
posted by Satoshi Orisaka at 19:52| 製作

2017年08月28日

天然セーム革クロス

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奈良の楽器工房として、鹿革のクロスを製品に添付できれば面白いなぁと、前から思っていましたがたまたま昨年、プルーインパルスを見に若草山に行った折、ふもとの売店でほどよいサイズ、価格の鹿革を見つけました。
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製造地が明日香村の近くの某市だったので、連絡をとり、多少の枚数を注文。直接受け取りにでかけました。
(ウチから直線距離で東に10q程度)

皮革、それも鹿革の加工工場がいくつも集まっており、カメラアクセサリとしてのセーム革もこの地で作られています。

ちなみに、鹿といっても市販品は「キョン」という鹿の仲間(中国産、他)が主。
それをなめし加工したのが「セーム革」「キョンセーム」で、誰もが認める天然・最上のクロス素材といえます。
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ある程度加工の進んだ状態ですが、なんともいえない生々しさ。
工場では他に、鹿か何かわからないが、まだ毛の残った状態の皮も仕込まれていました。

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革の厚さを整えるマシン(部分)。専用の器具が醸し出す武骨な雰囲気がいいですねぇ。

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ショールーム。どうですこのド迫力の絵柄! インスタ女子よ、これが漢(おとこ)のスナップ写真だ!、
田中角栄あたりの高度成長期までは、こういったエゾシカの壁掛け/ハンティング・トロフィー、今風に言うと「壁から鹿が生えてくる」ヤツ(?)がとても売れていたそうです。

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そうして仕入れた「天然セーム革」ミニサイズ・15x15pは、こちらでパッケージをして、今年から明日香弦楽器のギター、ウクレレに添付させています。
展示会では単体で実売をしました。卸売りは工房の本筋ではないので、やめときました。

些細ではありますが、オーダーを入れていただいているお客様は、オマケとして楽しみにしてくださいませ。

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<近況>
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お客様カスタムオーダーの完成直前。フレットをまたぐデザインのインレイ加工は初めてでした。
<以上>
posted by Satoshi Orisaka at 19:47| 地域

2017年07月20日

最凶工具・テーブルソー

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テーブルソー。またの名を「丸ノコ盤」「昇降盤」。
数ある電動工具のなかで、直線カットの能力がとびきり高い一方で、ケガ、それもかなりヘヴィなヤツが発生しやすいツールだ。

刃に接触するケガとともに、恐ろしいのが「キックバック」にともなうトラブル。
動画にはケガなどのグロ・シーンはありませんが、これを見た私は震えあがってしまい、ずっと導入していなかったのです。
https://youtu.be/u7sRrC2Jpp4?t=2m20s


ちなみに、動画前半に登場する「テーブルルーター」もちょい危険。
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ギター製作ではバンドソーが主役ですが、切れるのは前面だけなので、パワフルな割に比較的安全な工具といえます。
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とはいえ、小物の楽器や冶具を作るさい、テーブルソーは圧倒的にスピーディで精確だし、結果的にその分ギター、ウクレレ製作の余裕ができる。
ということで、恐怖におののきつつも、今年のはじめにテーブルソーを導入しました。(マキタ 2703+スタンド)
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第2工作室/農具部屋には、他にドラムサンダーと、ちょっとした作業机、30年前に買った小型ボール盤が置いてあります。

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実際、こんな板切れなら、以前の5倍のスピードで製材ができるようになったのですが、怖いものは怖い。
最低限のコツと注意点だけは押さえておきたい、という事で、ひさびさに近くの工房へおうかがいすることにした。

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(余談:貧血を起こしやすい方は、読み飛ばしてください)
となりの橿原市にある奈良県立医科大学の附属病院は、世界で初めて完全切断指の再接着に成功した、四股外傷のウルトラ・スーパー・スペシャル機関だ。
隣接する桜井市は、吉野や川上村あたりで伐採された木材を加工する製材所がとても多く、こういった土地柄も関係していると思われる。

地域の方が、足にこの種のケガをして附属病院で手当てされたのだが、1年しないうちにクルマの運転ができるほど回復されている。

ご本人の気力・体力と、医療技術のすごさに驚嘆するばかりだが、聞けば、「キレイにスパッといってたから、割とつなぎやすかったらしい」とのこと。なるほど。いや、なるほどじゃない。


ジャンゴ・ラインハルトのように、やけどの影響で実質指2本ながら歴史に残る演奏をした人もいるけど、ワタイのような凡人はなるべくトラブルを避けたいものです。

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明日香弦楽器から直線距離で6km、御所(ごせ)市に、主にクラシックギターを製作されている「丸山利仁ギター工房」がある。
Webは道具の話も多く載っているので、参考になります。

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工房の前にはシープレスが植えられている。

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リョービのテーブルソーは、比較的安いのにスライドテーブル装備という、うらやましいモデルだが、現在は廃番。

県の技術学校の家具工芸科でも勉強された方なので、経験や応用もふくめ、確かなアドバイスがいただけました。
良い意味で今後もビビリながら、テーブルソーを活用してゆくことにします。
<以上>
posted by Satoshi Orisaka at 13:58| 製作