2018年06月06日

HOTAKAインレイ指板・カスタムギター

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今春完成のカスタムギターのご紹介です。(Model 151FC カスタムオーダー品)
鶴が描かれた指板のインレイ装飾は、三重県津市の「HOTAKA CUSTOM INLAY(加藤穂高さん)」によるもの。

オーダー主様とHOTAKAさんがデザイン等を詰めた上で、私からはある程度加工した指板のみをHOTAKAさんに発送。
インレイ完了品がこちらに戻され、ギターを完成させる、という流れでした。
(こういった形のコラボ・外注は今回が初めて)

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解説するのもヤボなほど、圧倒的な仕上がりの美しさ!

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電話でいろいろお話しをさせていただきましたが、このレベルの経験・技術の持ち主の方になると、切るとか掘るとかいう水準はとうに超えていて、材の選別や、光源や視点を配慮しながら、最も美しく全体が映える計算をして作業をされているようです。

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世間ではレーザーカットのインレイも普及しており、実際、比較的に安価でキレイです。
ただ、加工前の材の選別はもちろん、デザインのストックやアレンジ、鋭角や曲線の表現、カーヴィング(筋彫り)を含めた全体の印象は、「作家」ならではの表現力が大きく反映されるのですね。
そういった点でも、仕上がった指板を見つめるだけでも勉強になり、良いコラボ経験をさせていただきました。

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ところでそれ以外(?)、不肖わたくしめが作った部分もなかなか凝ったもので、フレイムメイプルにローズ張りのヘッドに赤みの強いアバロンインレイ、5o幅のアバロン/赤べっこうセルのコンビネーション口輪、白蝶貝に赤透明を加えたブリッジインレイ
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ジャーマンスプルース3Aグレードのトップにはアバロンパフリング。
ローズウッド・バック&サイドなので、音色はアコースティックギターのど真ん中ともいえる、とてもいい意味で素直な印象でした。ドレッドサイズらしく鳴りも充分。

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ショルダーレストはベベルド(斜角)・タイプ。
トップとサイドのパフリングもキッチリ添わせるので、なかなかの高難度加工です。これについては別の回で紹介します。

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これに先立つ数か月前には、同オーダー主様のコンサートウクレレも完成させています。
HOTAKAさんは関わっていませんが、こちらもゴージャスなルックスです。

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話かわって;

シンガーソングライターの坂本麗衣さんの新作「The Night Blue」。
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ファンの方からご配慮いただいて、昨年は大阪のライブハウスで拝見させていただきました。

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ジャケット、チラシ、Web等でも明日香弦楽器のカスタムギターを映り込ませていただいております。
坂本さんはキーボードもギブソンのアコギも弾かれますが、プライベート・作曲では有難くも明日香弦楽器のギターを愛用されていると伝え聞いております。

歌唱や声質も個性的で魅力的な方である一方、「欅坂46」のアルバム収録曲・長濱ねるさんのソロ曲「100年待てば」を楽曲提供されているそうです。
ソングライターとしての今後の活躍にも期待ですね。

<以上>
posted by Satoshi Orisaka at 22:17| 製作

2018年05月30日

「マカロニほうれん荘」展

時は週刊少年チャンピオン黄金期。連載は1977年春から1979年秋までのたった2年半、単行本9冊。
当時の小学校高学年から中学生くらいの年代を中心に衝撃を与え、今も熱烈なファンが多い「鴨川つばめ」の伝説的ギャグ漫画『マカロニほうれん荘』。

スピードとリズム感がみちびく直観的な展開でありながらも、内容と作画は濃密。
私にとって「マカロニ」は何度読んでも新しい発見がある唯一無二・至高の作品だ。

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「マカロニほうれん荘展-MACARONI IS ROCK!-」が、5月19日から6月3日にかけて、東京・中野ブロードウェイ内のAnimanga Zingaroにて開催されています。

年1回だけ東京にいるタイミングでの開催!なんという僥倖!いや、トシちゃん感激!というべきか。
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5/21月曜昼。白髪が隠しようのないほど増えてきた50代前半のワシら初老達が狭いギャラリーにひしめく。女性も1-2割。

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まずは、原画の状態が予想以上に美しいことにおどろかされる。どの線もこまかく、丁寧だ。
鴨川さんはほとんど一人で原稿を書いていたので、背景も服の柄もすべて本人の筆によるもの。なんと当時20歳(19かも)くらい。

絵描きさんだから絵が上手いのは当然なのでしょうが、それにしても修正が少ない。(Twitterによると、マンガの原画マニアもそう感じたらしい)

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マチエール/画肌というのだろうか、単行本では伝わらない描き込みも確認できる。

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油の乗った時期以降は力強く・そして流ちょうな線画が特徴だが、きっちり計算/設計されたものであることがうかがえる。

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単行本でみると、コマ割りの直線にブレが散見されるのだが、たしかに原画では直線やカドの白修正がとても多い。躍動感を表現するうえでハミ出した線などを修正していたのでしょうね。

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1978年11月『水の中の太陽!!』は「火」をテーマにフルカラー&2色カラー印刷を生かした後期の傑作回。旅順港閉塞作戦にて軍神広瀬が杉野を捜索する名シーン、のパロディ。


展示された原画は、スタートから1978年秋の2週休載までのものが多い印象で、絵が荒れた終末期の原稿はわずかでした。
「BSマンガ夜話」(2002)において、江口寿史が「これでも(連載を)落とさず書くっていうトコが...、真面目なんですよねぇ」とコメント。
次の機会があれば、ファンとしては最終回の原稿も見てみたいところです。

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30年近く前、西武新宿線「井荻」に行き、今でいう「聖地巡礼」を敢行したのだが、当時は情報が「井草3」しかなかったので、散策して、駅近くで冷やし中華を食べて帰ることになった。
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そしてネットの時代。ほうれん荘のモデルとなった下宿があること、それは井草3丁目・旧早稲田通りから近いこと、そしてその下宿は空き家として2018年の今も現存していることが分かったので、原画展のあと、聖地巡礼に出かけることにした。

おぉ!ついに悲願成就!
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実際の建物をみると、こんな場面の迫力も増幅されます。
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数年前と比べて、南側の駐車場がマンションになっており、あまり近くには行けない。
参考個人サイト:マカロニほうれん荘 探訪 

ちなみにこちらが、原画展にあった鴨川つばめ撮影の資料写真。
なお、連載1年目の1977年夏以前にはもう転居していたようです。
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アシスタントが手伝っていたらこんなにピュアな原画展も成立しないし、作品のテンション感も全く別のものになっていたでしょう。
作家・鴨川つばめが完全燃焼したからこそ、ここまで愛され続ける作品となったわけで、ばくぜんとした表現ですが、私はここに「作家性」の尊さを感じた次第なのでした。
<以上>
posted by Satoshi Orisaka at 16:24| 日記

2018年05月24日

2018展示会:大阪-東京

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拙ブースにお立ち寄りいただいた皆様、誠に有難うございました。
以下、長文ご容赦願います。
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サウンドメッセin大阪(ATCホール 2018.5.12-13)

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151FC(中央・新作・参考展示):新デザインのヘッド装飾、ベベルド・アームレスト、ホンジュラス・ローズウッドバック&サイド。

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アームレストでは、パフリングを添わせる加工が超高難度です。
加工や効果の検証については別の機会でご紹介します。

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「長大」「幽玄」を感じさせるホンジュラス・ローズウッドのボディサイドは、なんとなく横山大観の「生々流転」だなぁ、などと製作中から勝手に思っていました。

今回はいろいろまだ詰めたい所があったので「参考展示」としましたが、ダイナミックなサウンドが圧倒的。ヤングな試奏者の方から「エロい」との高評価をいただきました。いやぁ、この方向性は今後「バズる」かも。

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232FC(新作):シトカスプルーストップにミディアムブラウン木地着色。アームレスト部ラウンド加工。ネック側ボディサイドエンドピン。
きわめてオーソドックスなシトカスプルースですが、木地着色をすると個体によってまるで「藤棚」のような美しい模様が浮かび上がります。

U23W(新作):テナースケール、コンサートサイズボディ長、ダブルネック(4+8弦)、フィッシュマンPUx2・ステレオアウトプット。
今回の視覚的な目玉。ウケも上々でした。
4弦と8弦は曲やフレーズによって使い分けるのですが、「これ、どうやって(一人で同時に)弾くんですか?」という質問が多くありました。

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U2(新作):コンサート。セダートップ、ローズウッドバック&サイド。
U2(新作):コンサート。イングルマンスプルーストップ、オバンコール・バック&サイド。
オバンコールはお試しで使ってみました。音色はやや丸くマホガニー相当。材の柄・色味はちょっと珍しいと思います。

他に旧作の232(セダートップ)、U2B(琵琶シェイプウクレレ)も展示。
2日目は雨でしたが、ステージイベントも多く、来場者でにぎわった展示会でした。
閉会後、荷物を発払いで東京に直送し、一週間後に備えたのでした。

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東京ハンドクラフトギターフェス(すみだ産業会館 2018.5.19-20)

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幅1mブース。今年は斜め前に入口、イベントスペース直近の場所ということで、敵前大回頭!展示品の全砲門(?)をそちらに向ける配置をしました。

私にとっての東京開催の弱点は、「じゃあ、近々工房を見に行くよ」という話になりにくいところですが、プレイヤーや出版の方が多く来訪されるのでいろいろ参考になります。

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ヒロ竹之内さんは昨年に続き、ウクレレのオリジナル調弦などの示唆をいただきました。いずれその紹介や実演もしてみたいと思っています。

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お隣のWIZARD LEATHERさんはストラップ、ピックガードなどに華やかなカーヴィングを施す皮革製品工房。
実は私、革細工入門セットを持っていて、木づちをフレット打ち込みに使うなど、今も愛用している道具が多いのです。
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2日目はこちらの(ありがたい)事情で試奏していただきにくい個体が多くなったので、ニーダウンして時間を消化(アメフト用語だよ)。ちょっと申し訳ない気持ちが残りました。
とはいえ、内容的にいい感じでやりきった2つの展示会でした。

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翌・月曜は「マカロニほうれん荘展」観覧と聖地巡礼。(次回更新)

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火曜は東京国立近代美術館工芸館「名工の明治」。
2005年「万国博覧会の美術」(名古屋市博物館)では、明治前期の職人の気概・爆発的な対外エネルギーにあふれた作品群が素晴らしかったので、その感じを期待して行ったのですが...。

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鈴木長吉「十二の鷹」(1893)解説文より;(海外での)「日本美術ブームの終焉や、絵画・彫刻・建築を中心とする西欧美術のヒエラルキーが、日本の美術界にも浸透していきます。」 ...その結果、公的な伝統工芸の評価・展覧は停滞を迎える、という流れのようです。

そんな背景もあってか、それ以降の工芸品群はなんかこう、日本伝統工芸展受賞作のように技術はすごい(本当にすごい)が、思想や世界観・宗教観がズシンと響いてこない感じが個人的にしたのです。

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東京国立近代美術館「横山大観展」
あそうだ、既述の「生々流転」が見れるかも、ということで突入。ありました。

「生々流転」への順路直前に展示されていたのは、高さ20センチほど、長さ4メートルほどのラフなアイディア下書き「小下絵画帳」。
これが強力な前フリになっていて、続く「生々流転」では、湿度や自然の臭いを含んだ濃密な大気・空気感に一瞬で没入させられてしまいます。


<横山大観展:みどころ http://taikan2018.exhn.jp/highlight/
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大気から雨-川-海、そして雲に昇ってゆく水の一生・輪廻に、時間や季節を織り込んだ物語が、40メートルにわたって描かれています。メタクソ感動致しました。

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御茶ノ水に立ち寄ったのち、本人そして荷物も帰村。
あぁ、片付けが大変...。
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<以上>
posted by Satoshi Orisaka at 16:31| 展示会