2018年11月07日

大和ハープ工房訪問


「大和(やまと)ハープ」は奈良県河合町の伊藤忍さん(しのぶ工房)によって作られている、アイリッシュに相当する小型のハープで、井藤和美さんが各地で演奏・普及活動をされているオリジナル楽器です。
井藤和美さんFacebook:https://www.facebook.com/kazumi.ito.315

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NHK奈良の放送を見て、地域を大事にして活動をされているのは素敵だなぁと感じたし、私自身も(コンサート/グランド)ハープの音楽が大好きなので(後述:我田引水します)、訪問させていただくことになりました。

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放送では桜の花びらをモチーフにした形であることや、音色、親しみやすさがフィーチャーされていましたが、楽器の実物をみると、開発やら製造など、かなり手間のかかったオリジナルパーツを装備していて、驚かされました。

チューニングピン、ヒッチピン、シャープレバーなどの金属パーツはオリジナル加工品!
なんと赤/青の染色弦もオリジナル。
加えて、プロテクトもちゃんと配慮したソフトバッグも自作されていました。

なお、弦はナイロン系というかカーボン系ですので音はウォームでマイルド。

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ギターに比べると弦のトータルの張力も大きいし、したがって材木加工も大変だと思います。
その上、弦29本分のオリジナル・パーツの段取りもあるわけですから、技術はもちろん相当な根性やら思い入れがないとできないことだなぁ、と感心したのでした。


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余談1
私はコンサートハープの楽曲が大好きで、CD収集のほか、パソコン通信時代にニフティ・MIDIクラシックフォーラムに譜面を打ち込んだデータをいくつか投稿していました。けっこう凝った演奏表現も込めたものです。

Webの時代になり、データ中の音源指定を外し、扱いやすい形式にしたものの一覧を作成。現在は当・明日香弦楽器の隠しページとして残存させています。
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Classical Harp MIDI:http://www.asuka-si.com/harpmidi


選曲に多少の好みはありますが、このジャンルの名曲は結構押さえています。

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余談2
フランスのMODARTT社が開発したピアノ・モデリング音源「Pianoteq」。
その拡張音源として2015年に発表された「Concert Harp for Pianoteq」の製品案内ページに、私が制作したMIDIデータを使っていただいています。
Pianoteq - Harp:https://www.pianoteq.com/harp
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音色はもちろんPianoteqのハープ・モデリング音源を使用し、MP3データ化したもの。
デモ曲の「Am springbrunnen」「Impromptu-Caprice」「Une chatelaine en sa tour」「Petite valse」の4つが私のシーケンスデータを使ったもの。
そしてピンチ・ハーモニクスとグリッサンドのサンプルは、トゥルニエの「森の泉のほとりにて」の一部です。

ハープはマイクの設置で大きく音の印象が変わる楽器とはいえ、Pianoteqのハープ音色はとてもリアルです。
海外の掲示板では「振動する弦に指が触れた時のノイズが入っていない!」という声も見かけましたが、そーゆー揚げ足取りが出てくるレベルの音色ともいえます。

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...ということで、案内する機会のなかったネタ2題をやっと出せませした。
そのために大和ハープさんを取り上げたのではないのでご理解を。
<以上>
posted by Satoshi Orisaka at 10:38| 地域

2018年10月02日

赤い花白い花

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10月に入り彼岸花シーズンもほぼ終了。赤が基本ですが、稲渕(いなぶち)の棚田では白、黄色の群生も見ることができます。

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自生の白もたまにありますが、稲渕の群生は、園芸用(リコリス)を植えたものかも知れません(あくまで推測)。


やや強引な展開ですが最近、山本潤子さん(元・赤い鳥、ハイファイセット)の弾き語り版「赤い花白い花」をYouTubeで聞きました。
唸るほど良いです。フォークってやっぱり染みるなぁと再認識しました。

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「道の駅『飛鳥』」が9月18日にオープン。(PDF:道の駅『飛鳥』パンフレット

近鉄の駅と52台分の無料駐車場が直結した新スタイル!...ではありますが、新しく大型販売所が作られたわけではないので、これまでの飛鳥駅前とは一見、変わりません。
観光案内やトイレなどは前より充実しています。

なお、駐在所が敷地内にあるので、今後、大阪の富田林署から逃亡してツーリングをする方は避けたほうがよいでしょう。

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台風21号、怖かったですねぇ。

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ウチのすぐ上は上宮寺(じょうぐうじ)。
地域の小さな寺ですが、大昔は五重の塔があったとか、地下には金の瓦が埋まっているという言い伝えも。
聖徳太子の称号のひとつに「上宮王(かみつみやおう)」があり、高貴な名称と一緒なだけに由緒がないはずないだろう、といった伝承もあります。

近年の上宮寺はワラぶき・トタン屋根なのですが、

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台風でトタン屋根が吹っ飛びました。

ウチの自宅/工房への被害はなかったのですが、飛んだトタンや材木、ワラの片付けに加え、屋内の仏具、タタミ、フスマを全て運び出す大作業が発生。

「金の瓦を掘り出したら、ゼニカネの問題はすべて解決だ!」なんて冗談が必ず会話で出るのですが、これも歴史のある地域の味わい深いところですなぁ...なんていってる状況ではない。

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現在は幅15メートルのブルーシートがかけられています。
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[観光スポット・飛鳥川の飛び石]

彼岸花シーズンを利用して、ギターのイメージ撮影をしようとあちこちロケハンをしたものの、なぁーんかハマる構図がなかったので、室内撮影を敢行。(ウチの敷地の花を使用)
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ピントを変えた2枚をオーバーレイ加工。トップページの画像がもう5年も同じだったので、変えてみました。
見ようによっては、なんか怖いか...。
<以上>
posted by Satoshi Orisaka at 21:34| 地域

2017年11月12日

第69回正倉院展

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吉川英治のエッセイ「正倉院展を観る」(1959)に、
「なんについてもいえることだが美術工芸も時とともに堕落と迷いの一方をたどってきたといっていい。」
という一節があるのですが、実際そう思えてくるくらいに見応えがあります。

そして、宝物群はいかに装飾的であっても、基本は用具・実用品だということが、正倉院展のおもしろみです。

ところで、京都では「国宝展」が盛況だそうですが、正倉院宝物に「国宝」は一切ありません。
『宮内庁による十分な「管理」が行われている』という見解から、建物以外すべて文化財保護法の対象外になっているのだとか。深いなぁ。
(以下、画像は展示会パンフ、非公式twitterから)

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漆槽箜篌 [うるしそうのくご]
「くご」はいわゆる竪琴/ハープ。収蔵品と復元品。
ペグもあるし、弦をひっかけるヒッチピン(ギターのナットに相当)もそなえた、けっこうまともな楽器だ。

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ギドン・クレーメル&吉野直子という超攻撃型タッグの癒し系アルバム『Insomnia (眠れない夜)』収録、高橋悠治作曲 「ヴァイオリンと声と箜篌のための版」では、箜篌の音色をたっぷり14分も聴くことができます。

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木画螺鈿双六局 [もくがらでんのすごろくきょく]
一部、ガラス玉か何かで3mmほどの丸を隆起させているのが確認できる。

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今回の展示ではないけど、似た感じの琴(檜和琴・ひのきのわごん)と、作者が一緒だったりするのかなぁ、などと想像するのも楽しい。

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碧地金銀絵箱 [へきじきんぎんえのはこ]
傑作ぞろいの絵箱カテゴリーのなかで、本作は写真だと地味な印象だったが、実物は、絶妙な色彩感がとろけるほどの魅力をかもしだす絶品でした。
見た瞬間、あやうく尿道括約筋がブレイクダウンしそうになっちまいました。

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最勝王経帙 [さいしょうおうきょうのちつ]
正倉院収蔵物の中でも人気の一品。写真だとエンジ色&金色っぽくみえるが、もともと紫&白だったらしい。

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迦陵頻伽(かりょうびんが)という人面鳥身の極楽浄土キャラが中心に描かれている。
俯瞰でとらえれば傑出した見栄えですが、ここだけ見ると、ファミコンのドット絵みたいでもある。

余談ですが、1980年前後に「上田知華+カリョービン」という、ボーカル/ピアノ+弦楽四重奏という異色のグループが活動していて、私も結構好きだったのですが、その「カリョービン」はこれが由来。こんなところで元ネタに出会えるとは。

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メインどころ以外で印象に残ったのは「綾継分房付幡等」(あやのつぎわけふさつきばん)。
(おことわり:第127号櫃 第25号、第129号櫃 第104号、あたりがごっちゃになっているかも)
写真では全く伝わらないけど、細密で独特な色彩の中に、現代でも通用するエンブレム風の意匠が組み込まれている。

ということで、今年はじゅうぶん満足できる正倉院展でした。
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エルボーカット加工がようやく終了。
トップ/曲面サイド/そこを45度カット/フレイムメイプル貼り合わせ/さらにバインド、アバロン、白黒パフリング...と、さすがにこれは手間がかかります...。
<以上>
posted by Satoshi Orisaka at 03:18| 地域