2021年07月24日

島村楽器ミ・ナーラ奈良店カスタムウクレレ

島村楽器ミ・ナーラ奈良店のプロデュースにより、明日香弦楽器の製作をもって地域愛を高らかに表現した新作2本です。
なんといっても今回の目玉は、U2コンサートウクレレの指板インレイです。

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U2 コンサートウクレレ
・明日香村産スギ(吉野杉)表面板
・明日香村産・鹿ツノ材ナット
・国産マダカ(真高)アワビ貝装飾
・指板インレイ「鹿と唐草」
・「睡蓮」デラックス ヘッドインレイ
  高盛り(樹脂盛り)仕上げ
・14-20Fスロープ指板
・側面モニターホール
・カッタウェイ、薄ボディ(通常比マイナス1cm)

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材料はマダカ(真高)アワビという国産材。グリーンアバロンより白が目立ち、白蝶貝と一味違う変化に富んだ反射を楽しめる素材です。

担当者・竹田さんからは「唐草を鹿のツノに見立てて」という要望を受け、鹿のフリー素材なども参考にしながらまとめあげたデザインです。
鹿のキュートなポイントである目頭、まつ毛などはきっちり強調して描き込みました。

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スギ/セダーらしいふくよかな音色。カッタウェイかつ少し薄いボディですが、音量はじゅうぶんある印象です。とても抱えやすいですよ。
スギ材は成分的にヤニ・油が多いので、長年保有すれば材が締まってさらに鳴りが良くなる予感がします。
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U12 ロングネック(コンサートスケール/ソプラノボディ)ウクレレ
・マホガニー・ボディ
・グリーンアバロン「睡蓮」ヘッド装飾
  高盛り(樹脂盛り)仕上げ
・指板インレイ「花菱」
・明日香村産・鹿ツノ材ナット
・14-19Fスロープ指板
・側面モニターホール
・薄ボディ(通常比マイナス1cm)

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U12ロングネックの指板インレイは、日本の文様のウルトラスタンダード「花菱」。
ちなみに東大寺の紋は花菱に四方の菊が加わったものです。

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島村楽器ミ・ナーラ奈良店では、7月24日から8月1日まで「国産ウクレレフェア」を開催中!

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店頭ではソプラノスケール/ミニボディの「U01」も展開しています。

今回はそれぞれ1本のみのカスタム製作であり、今後は未定なので、ビビッと来た方は本当にお早めにどうぞ!

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いわゆるチェーン店の新規出店にあたっては、きっちり共通した品ぞろえフォーマットがあるようですが、その後、店舗スタッフ個々の熱量によってきわだった特徴が出る場合があります。

ミ・ナーラ奈良店さんの場合、担当の竹田さんが大活躍中で、ウクレレコーナーの展示スタイルからもそういった熱量や丁寧さが伝わってきます。
期間中は選定会の日時も設定されているようなので、ぜひお立ち寄りくださいませ。

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大型ショッピングモール「ミ・ナーラ」は、天高くそびえる「相輪(そうりん)」が目印だ!
(大型駐車場のほか、近鉄新大宮駅から無料バスも出てますよ)

<以上:明日香弦楽器
posted by Satoshi Orisaka at 15:16| 製作

2021年03月02日

鹿鳴(村産材使用)

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2021年の第7回「明日香の匠」展に出品した新作ギター「鹿鳴(村産材使用)」です。
ぜひ画像クリック・別ウィンドウで拡大表示してご覧ください。

ボディ456x314mm、弦長632.5mm、12フレットジョイントのいわゆるビンテージスモール/19世紀ギターサイズで、ブレーシングを含むほぼ全ての部材に明日香村産の木材を使用しています。
(スギ、ヒノキ、ヤマザクラ)

装飾図案の参照元は下記の通り;
口輪:法隆寺/東京国立博物館 「光背」C0044884・N-196_27
ボディパフリング:(花菱意匠)正倉院「紫檀螺鈿五絃琵琶」
 (菱-丸配置)アントニオ・ストラディバリ「サンライズ」
 (ボディ下部半円配置)名称不明・19世紀ギター
ブリッジ、表面板下部:正倉院「紫檀螺鈿五絃琵琶」
ボディサイド:正倉院「三合鞘御刀子」
背面・人物螺鈿:(笙、笛、太鼓)正倉院「墨絵弾弓」 (琴)正倉院「金銀平文琴」

白蝶貝を主に使用し、ボディパフリングの菱と丸はミミ貝。
ブリッジピン/エンドピン部を除き、加工した貝のパーツ点数は224個です。
また、貝への筋彫りも多数行っています。

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サイドバインディングには赤べっ甲セルを2枚使用して幅広に。
また着色バーチ薄板による装飾をサイドに施しています。
そしてこの「三合鞘御刀子」の図案を引用・再構成してホンシュウジカの角を表現したのが、指板のオリジナル・インレイです。

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ボディウェスト部にある4箇所の透明赤デザインもオリジナルのアイディアで、こういったアクセントや曲線に変化を加えるのはエレキギター的アプローチかもしれません。

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ナットとサドルには奈良県猟友会明日香支部からいただいた鹿の角を使用しています。

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サウンドホール内側にも赤べっ甲セル。指板セルのカド部は熱で曲げました。

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背面。板目のヒノキに詩文を掘り込み、アンバーのオイルステインとつや消しクリアで塗装。掘り込み具合をしっかりと残しつつ、文字を明瞭に仕上げています。

詩文は孔子が編纂した「詩経」からの引用。
「小雅 鹿鳴」はおおざっぱにいうと「宴会・もてなし」を表現した詩で、この楽器の装飾群も詩の内容や風情を意識して作っています。
鹿の鳴き声や楽器、儒教上の理想の政治などを深掘りすることもでき、詩経においても人気の収録作のようです。

明治期の「鹿鳴館」の名称も、この詩を元にしています。
鹿の鳴き声や楽器、詩そのものについてはまた別の機会に。

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製作工程など。
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実は展覧会に間に合わせるための仮組み状態で、まだ音は出していません。
現在はいったんバラしてやや雑だった塗装をし直しているのですが、ハコとしてはちゃんと鳴るようなので、さきざきは弾ける楽器として完成させます。
明日香弦楽器の型番としては「Model 300」とし、今後も同シェイプのギターを作っていく予定です。

<以上:明日香弦楽器
posted by Satoshi Orisaka at 16:28| 製作

2021年02月10日

ヤマザクラの製材

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第7回「明日香の匠」展が県立万葉文化館にて2月14日まで開催されています。(入館無料)
当工房の新作ギター「鹿鳴(村産材使用)」が展示されています。是非。
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今回のギターではスギ、ヒノキのほか、ヘッドトップ/指板/ブリッジにヤマザクラを使用。
私の住む「上居(じょうご)」集落にはヤマザクラとソメイヨシノの植林地域があり、イスなどが整備されていないので全く無名ながら、なかなか上質なお花見スポット。

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そのヤマザクラを間引く作業が景観ボランティア明日香(Facebookより写真引用)によって2019年に行われ、私もマイ・ヘルメット持参で(頭デカいからな)参加。
そしてチェーンソーで2メートル弱に切りわけられた丸太を何本かいただいたのでした。

んで、ここからがすんごい大変。
中身は水分ジュクジュクな状態。1週間もすると、内側の割れ/裂けが目立ってくる。

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放置するとこんな具合。これは枝分かれに近い部分のためか、まだマシな方。

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一例。長さと幅が20センチほどの丸太をタテにして、バンドソーで中心に向かって切ったもの(ジュクジュクで、なかなか切れない)を1年以上放置・乾燥させると、これくらい割れ目が広がる。でも、ほかの部分は全く割れていないのがミソですね。

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こういったことから、ごっつい建材などはこのような「背割り」の加工を行うようです。

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今回は取り急ぎ手持ちの電動丸ノコで背割り。丸太の安定のために治具を応急作成しました。

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それからようやく柾目・板目を意識しながら切り分けたものの、まあまあ太い木でも、大きな柾目の材は数多く取れませんねぇ。
切り分けたあとでも、乾燥につれてある程度は上下左右で反るし。

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ちなみに過去のブログで、奈良県銘木共同組合の理事長賞の丸太って、目利きができないのでよく分からんなどと無責任なことを書きましたが、その後関係者にたずねたました。
いわく「年輪が多く、ほどほどに密で均等で、中心に偏りがなく、太い」といったことがポイントで、それには生育場所の日当たりや管理が重要なのだそうです(聞きかじり情報)。

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加工の際は、燻製用のサクラのチップと同様、いい薫りが工房に立ち込め、なにやら食欲がわいてきます。
そんなこんなでようやくヤマザクラ材を今回の楽器製作に取り込むことができました。

専用の装備や場所が整っていないと、伐採直後の木材の加工はすごく大変なことを思い知らされました。
<以上:明日香弦楽器
posted by Satoshi Orisaka at 17:28| 製作