2014年04月10日

ブリッジインレイ

さて今回はご好評をいただいている(?)、正倉院五絃琵琶をモチーフにしたブリッジインレイの製作について。

不勉強で稚拙な我流ではありますが、数年前から200回くらい成功してて、ノートは4、5冊作ってます。(…誰だよお前)

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使うのは、加工しやすいラミネートのグリーンアバロン。ラミネートといっても、本モンの貝です。

下絵をアバロンに貼り付け、逆さにしたドレメルのルーターで切り出す。
機械を使うと疲労がないのだけど、実は糸ノコでの手作業の方が速かったりきれいだったりする。
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ヤスリでサイドもきれいに整形する。
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幅約12ミリ。これくらいのサイズのパーツだと、大きくて作りやすいくらい。
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ブリッジ側の下穴をルーターで掘ってゆく。
ブリッジのサイドは薄いので、強度も考えて少々浅めに。
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掘って下絵を取りはずすと、こんな感じ。
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ここにアバロンをはめてチェック。
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木の粉を溶いた接着剤で埋め込む。
マスキングは特に必要ないのだが、なんかこう、研ぎ出す時にやりやすいので。
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乾いたら、サンドペーパーで研ぎ出す。
片側は丸みがあるので、ちょっと大変。
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アルコールを塗ってチェック。キレイなインレイが浮かび上がってきました。
なんというかこう、てめぇが埋めた旧石器時代の遺物を掘り出した時のような驚きと感動です。(…誰だよお前)
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これでおおかた完了なのだが、多少の気泡などがあるし、ヘッドのように上からクリアで塗装するわけではないので、念のため今一度接着剤を軽く盛る。
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ふたたびサンドペーパーで研ぎ出し、ブリッジの生地を調整して、できあがり。
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今回はいくつかまとめて進行したので、結構疲れました。
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最後にこれだけは言いたい。
外注のゴーストインレイ製作者の手を借りず、自分の手で作っています。天地神明に誓って。(…誰だよお前)

<以上>
posted by Satoshi Orisaka at 05:09| 書籍

2013年05月30日

もぐらとじどうしゃ

東京ハンドクラフトギターフェス出展に向け、今年に入ってからほぼ休みなしで製作作業を続けてきた。

そんな中、頭にとりついて離れなかったのが、子供の頃に読んだ「ものづくり」をテーマにした絵本だ。

調べてみると、今でも販売中とのことで、早速注文。
約40年ぶりに熟読することにした。

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「もぐらとじどうしゃ」(世界傑作絵本シリーズ―チェコの絵本)
エドアルド・ペチシカ (著), ズデネック・ミレル (イラスト) 第50刷

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ストーリーは「もぐらくんが試行錯誤しながら自分の自動車をつくる」というもの。

いま、大人の目で見ると展開に唐突なところがあったりと、納得がゆかない点もいくつかある。

だがしかし、トータルで見ると間違いなく、突き抜けた読後感を読み手に与える快作なのだ。



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ポイントは「欲しいものは自分で作ってみる」というストレートでピュアな情熱。そして「作り上げたものに対する熱狂と恍惚」である。


加えて、ねずみくんから時折アドバイスを受けたりはするが、もぐらくんは基本的に孤独だ。
チャラチャラと事業の仲間を募ったりしないし、助手席におねいちゃんを乗せたいといった、ふらついた気持ちなど微塵もない。

この孤独な求道者・もぐらくんの姿は、友達100人つくることが美徳とされる子供に、強烈なインパクトを与えることだろう。



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熱狂の初ドライブを終え、夜、もぐらくんは巣に戻る。
もぐらくんは大切なネジまきを抱きかかえ、幸せそうに眠りにつく。

この穏やかで、どこかしらさびしいエンディングがまた味わい深い。



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こんな素敵な絵本を子供の頃に読めばきっと、…自分みたいなヘンな大人になってしまうと考えると、おススメどころかむしろ禁書に近いようにも思える。

つらい所だ…。

<以上>
posted by Satoshi Orisaka at 11:35| 書籍