2017年10月30日

愛器撮影テクニック

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『ギター・マガジンが本気で教える こだわりの愛器撮影テクニック』という本が出ているようです。
商品撮影から屋外でのイメージ撮影までを取り上げた、ちょっと異色な本といえます。

楽器商社の何でも屋部門が長かった私は、ちょくちょくスタジオ撮影に立ち会ったり、デジタルカメラ普及以降は社内でバリバリ撮影するなど、シロウトながら低予算環境でやりくりしていました。

(銀塩写真時代はいろいろ大変だったなぁ。会社のNikonF3はすぐ電池切れして参ったなぁ。千種区の若水カメラは現像のため雨の日も風の日も行ったなぁ。四日市の開演直前のステージ上でベンチャーズを撮った時は失敗していないかドキドキしたなぁ)


さて、楽器の写真というと、こんな雰囲気の写真がシブかったり、
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郊外・里山(田舎...)の個人工房だと、こんな風景も似つかわしかったりしますが、
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正確な形や、材質感の描写という点では、特殊な背景やエフェクトを排した、ありのままの姿を伝えるための「商品撮影」こそ、基本にして究極ではないかと思うのです。
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そういった意味で、『基礎から始める、プロのためのライティング』は、細かい工夫と光源のコントロールの大切さを教えてくれる、とても良い本でした。
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とはいえ、しがない楽器工房。今回は、カネも装備も時間もないけど、なるべくちゃんとした撮影をしたい、というウチの状況のご紹介です。

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3脚は大昔のスリック製だが、相当しっかりしたもの。
カメラは10年近く前のパナ・マイクロフォーサーズ機GH-1。レンズは望遠タイプ・35mmフィルムカメラ換算28mm〜280mm。
ミラーレスとあなどるなかれ、これでも植物園主催の写真コンクールで銀賞&数万円をゲットした愛器だ。

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日常作業用のデスクライト2発の前にトレーシングペーパーを垂らし、光源をやわらかに分散する。
本体への変な映り込み防止にもなります。
ライトを増やしたり大型にしたり、レフ板を使うほどには手間をかけていない。

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カメラは楽器から約4メートル離れる。可能な限り図面/実物に近い、素直なシェイプを出すためです。

アコースティックギターはヘッド形状やボディ厚みを表現するため、正面の場合は気持ち上から、または気持ち右側から写すことが一般に多いようですが、ブランドごとに多少バリエーションはあります。
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もろもろ簡易的ではありますが、準備や撮影、写真のセレクトやトリミング、場合によって切り抜き処理まですると、半日がかりの作業なのです。

光源の調整によってそうとう印象が変わります。(最近作。インレイは赤味の強いアバロン)
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写真左のように、まずは素直に仕上げることが重要ですが、写真右で絞り出したインレイの「妖気」も大切な個性。ともかくはライティングって奥が深いものですねぇ。
<以上>
posted by Satoshi Orisaka at 02:56| 製作