2025年02月13日

2025年「明日香の匠」展

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県立万葉文化館・企画展示室にて、2月8日から16日まで第11回「明日香の匠」展が開催されています。
11日の祝日に様子を見に行ったところ、入場無料としても盛況で、「こらぁオリジナル・クリアファイルやポストカードがあったらそれなりに売れまっせ」などとゲスな思いつきをしてしまったほどです。

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私の展示作品のタイトルは「マトリクス」。
直交座標軸(x軸、y軸)に見立てたスタンドに、お客様カスタム・同型異仕様のギター2本を左右・上下逆に配置しています。ギター本体についてはまた後日。(ホンジュラスマホガニーネック共通、ジャーマンスプルース/フレイムドシカモア、アディロンダックスプルース/ホンジュラスマホガニー)

デカルト座標系、では堅すぎるし自分でも意味がわからんので、マーケティングなどでも耳なじみのある「マトリクス表、図」からタイトルを付けました。

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原点を中心にした第一、第三象限の対称を見せたいので、けっこう緻密にギターの位置調整や固定を行いました。
加えて、シェラック塗装なのでスタンドとの接触部分にはいろいろ気を使いました。

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「ギター2本...ん?対称に設置しているが同じ木材ではない」と気付いて横を覗き込むパターンの方々が多い印象で、当方の狙いが説明なしに伝わっている実感があってなによりでした。

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匠展に先立つ1/11−19、「明日香匠の会・新春展」が村役場の交流棟で行われました。

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タイトル「インレイと塗装の技法・プラスα」。象嵌とスプレー塗装の行程説明パネルです。57cmx13cm。質感の変化を感じていただくため、指、爪でのタッチOK。
至高の音楽作品はバッハの「フーガの技法」だと言い切っちゃう界隈の人間なので、「技法」という言葉が好きなんですよねぇ。

新規で楽器を作る余裕がなかったことによるごまかし作品ですが、けっきょく手間がかかりました。

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会場を廻っていると、本名とは別に品があってカッコいい「作家名」を持っている地域の作家さんも何人かいらっしゃることを思い出しました。
オレだったらどうするかなぁとサッと考えてみたものの...、ターザン折坂、アマゾン折坂、スプラッシュ...やめとこう。

<以上:明日香弦楽器
posted by Satoshi Orisaka at 18:12| 展示会

2024年12月26日

2024年追補

まずは2025年前半の予定です。

第7回「明日香匠の会」新春作品展 1月11日から19日まで 明日香村役場 交流棟 入場無料
・地域向け美術工芸展覧会。
・インレイと塗装の工程を16段階で追って見ることができる実物パネル(13x50cm)を展示します。写真どころかタッチもOK。

第11回「明日香の匠」展 2月8日から16日 奈良県立万葉文化館 企画展示室 入場無料

サウンドメッセin大阪2025 5月10日、11日 大阪南港ATCホール
https://sound-messe.com/

(東京ハンドクラフト...は出展しません。経費もかかるし、いろいろまぁ)
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結局年内に完成できなかったお客様カスタム2本。シェラック塗装です。「匠展」で展示します。
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下関北九州、船づくし/乗って・打って旅行。(打つっていっても各場トータル300円程度ですよ)

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北九州といえば、ヤンキー成人式や、そこらへんにロケットランチャーが捨てられていたり、「ちいかわ(地域の変わり者)」が包丁を持ってウロウロしているマッドシティの扱いをされて気の毒ですが、本当は日本の近代化をけん引した製鉄産業の聖地。
移動の流れでいろいろ社会見学もできて興味がつきません。(写真:JR若松駅の石炭ディスプレイ)

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川崎や木更津にもこういうこげ茶・赤茶のエリアがあるものの、北九州のスケールは段違い。
ホントにこんなスチームパンク感あふれる色なのかこの目で確かめるため、小倉駅から工場エリアを対岸から望める門司港まで(400mほど)行ってみました。

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1.中核の工場設備はわからないが、周囲の建物の屋根は最初からこげ茶に塗ってある場合が多い。
2.とはいえ壁はもともと白であっても、結局なんやかんやでこげ茶色になってしまう。
3.コークスを野積している場所もあるので、全体的にやはりこげ茶の印象になる、のでしょうねぇ。
...というのが、素人の印象でした。
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当工房製ギター使用・太田光宏さんのライブが1月26日南青山MANDALAで行われます。ライブ配信もあるようです。ぜひ。
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それでは、2025年もよろしくお願いいたします。
<以上:明日香弦楽器
posted by Satoshi Orisaka at 03:58| 日記

2024年10月26日

ベルトディスクサンダー

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今回ご紹介するのは極めてオーソドックスなベルト幅100ミリ長さ915ミリの「ベルトディスクサンダー」。
価格は2万5千円以内で、木材やナットの加工など、ギター工房ならほぼ必ず持っているはず(もっと高価なものかも)の電動工具です。(写真は現在販売されている機種)

削りのパワフルさ、スピード、そして粒度も選択でき、木材においては割れが発生しないのもメリット。微調整なら金属にも使えます。

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地元店で展開している当工房製品「おやゆびピアノ」の木部仕上げ成型はすべてこのベルトグラインダー。なお「ディスク」部分はジャマなので私、全く活用していません。

難点は音がやや大きく、振動もそれなりにあり、集塵も難しい(工夫している人もいる)ので、短時間の使用ならともかく集合住宅には不向き。

木材を無心で押し付けていると、ギター弾きの命・爪をガッツリ削ってしまうことがあるのも難点といえるでしょうね。押し当て方が不安定だと軽くケガすることもあります。

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ただ、自作オプション治具も活用しながら、私にとって断トツでヘヴィに使っている電動工具なのです。
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作業のたびに「ベルトクリーナー」を押し付けて目詰まりを除去し、研磨力を回復させるわけですが、これはSK11の10センチ[短くて握れない]で999円、20センチ(写真)で1798円とまぁまぁ高い。(モノタロウ価格)
代用品としてその他天然ゴム、合成ゴム、洗浄剤を使う人もいますが、ほどほどの効果で、安くて入手しやすいものはないものかといろいろ試行。

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そしてたどり着いたのが住宅用資材の「シリコンシーラント」。
400円から600円程度。研磨力は印象値で正規クリーナーの90パーセントといったところ。十分です。

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厚紙で作った型に流し込んで固めるのも面倒な気がしてきたので今回、筒の上だけ切って窓側に放置してみました(2024年6月3日)。
10月26日、さすがにもう固まっただろうと開封したところ...。

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...ううむ、ダメかぁ...。均一に固まらないし、底側はまったく固まらず。ふた工夫ぐらいまだ必要ですねぇ。まぁ、四角の方が握りやすいけど、残念。
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残念ついでに、今年の彼岸花。イノシシ、シカ害で稲渕の棚田地区は悲惨な状態となっており、「彼岸花まつり」は「案山子まつり」に名称変更。

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ウチの近所では、花の部分だけショートケーキのイチゴ感覚でシカがぱくっと食べてしまっている。(毒があるのは球根の部分。なお彼岸花は花で結実しない)
農地の被害も大きいようで、果たして明日香村に未来はあるのか?!
(ちょっとある。飛鳥地域は来年夏に世界遺産登録決定の予定)
<以上:明日香弦楽器
posted by Satoshi Orisaka at 02:42| 製作