2018年09月04日

ベベルド・コンタ−

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右ヒジとギターが接触する部分の加工はエルボーカット、ショルダーレスト、ドロップトップ等々、いろいろな言い方があります。
特にアコースティックの場合、そもそも腕の内側・関節の部分なので、なくても演奏上は支障がなかったり、むしろない方が安定するという見方もあります。
ただ、あればあったで、ギターを構えた瞬間、ラクに感じるのも事実です。

ランニングシャツ、もしくは上半身裸で演奏する場合なども、具合が良いでしょうね。
(おぉっ!ミックとキースで見事に揃った)
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後付けのパーツもいくつか市販されており、他の工房品でもシンプルなパーツを付けしたものが多くあります。
私の場合も、5mmのアクリル板を曲げてボディサイドに付けた実売例があり、実際これでも腕への当たりはソフトになります。鳴りに対する影響もほぼありません。
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ただ、後付けパーツは作った側からするとどうしても「後付け感」があり(当たり前...)、なにか他の方法はないかな、と模索してしまいます。

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まずは比較的にマイルドな加工例。これは当工房232モデルというおよそオーディトリアムサイズのボディに施したもので、通常のカドは2mm程度のRのところ、5-7mmのRになります。(232FC-2018-05-005)

そもそもボディが小ぶりで抱えやすく、これくらいで充分かもしれません。
トップとサイドの黒白黒パフリングを省略してないところもポイントです。
(材にもよりますが、オプションで1万〜2万プラスといったところ)

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次が「ベベルド・コンター」とも言われる、斜めに大きく切り落とされたタイプ。(ベベル:bevel=斜角)
もちろん弾きやすさは個々人の好みとはいえ、大きなドレッドサイズで、ストローク弾きが多い奏者にとってはフィーリングが良いかもしれません。

作る側からいうと、アコースティックギターではバインディングやパフリングがあるため加工が大変なものの、そういった処理を含め、嗜好や腕の見せ所でもあります。
テイラーのカスタム風のなだらかな変化も自然でよいですが、私は「ココ、加工されてますっ!」的なルックスが好みです。

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まずは、通常のバインディング、パフリング用の加工を先に済ませる。

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45度のドリルでカット。写真は工房用実験分・ひさびさ加工のためキレイではないので、自分の名誉のため(?)一部モザイクをかけさせていただきました...。

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あらかじめ曲げた板を貼り付け、トップとサイドにあわせて削り出します。

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トップのみならず、サイドの黒白黒パフリングもベベル部に沿わせ、通常のボディパフリングと律儀に連結させます。

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写真のギターはベベル部がフレイムメイプル、バインドは竹でした。
製作者によって手順はことなると思いますのであしからず。
2本目はそれなりにスムースに作業が進みます。

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とはいえ、きっちり仕上げるには非常に手間のかかる作業です。バインドやパフリングの仕様にもよりますが、今のところオプション見積もりはプラス3万から4万円としています。
お客様カスタム品の方は6月に本ブログで紹介しました。

―――
しばらくはこんな加工もないだろーなー、と思っていたら、今はこういうオーダー品を作っています。
ウクレレのスプーンカット加工です。
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<以上>
posted by Satoshi Orisaka at 11:24| 製作

2018年08月02日

100円ウクレレ

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ダイソー、セリアでも基本的にモノは同じ。近くのセリアには写真左右の2色があった。
このテのものではディズニー柄のおもちゃを見かけるが、こちらはメチャメチャ小さくて(全長28p、弦長19p弱)、なんといっても100円。
弦は1&2弦、3&4弦がブリッジでつながっており、なかなかまともな調弦はできない。

意外にフレット位置は正確で、弦高もほどよく、ブリッジ後ろにはすき間があり、なぁんか可能性を感じる。

牛刀をもって鶏を割くなどイキではない。「最低限の加工」「一般的な弦を使う」というテーマをかかげ、作業開始です。

1.ブリッジの弦掛け加工
ソプラノウクレレ同様、弦を引っ掛ける方式にします。
弦はオーソドックスなGHS弦のソプラノ用。

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1弦‐4弦で26.5mm。弦間ピッチは26.5÷3で8.8mmが適切だ。
カッターなどで削り、玉むすびした弦が引っ掛かるようにする。
柔らかい樹脂なので、一回弦を通してサウンドホールから出し、引っ張ってクセをつけると、良い具合の幅になる。

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ピッチ角を付けるために、ここを斜めにけずるのもあり。

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サドルは0.5から1.0mm程度の厚みなら何でもよく、今回はバインディング用の白セルを切ったものにしました。
取り付けは完成直前でOK。


2.ストリングガイド加工
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ゼロフレット+ストリングガイドという仕様。おいおいモズライトのギターかよ。
ただ、ストリングガイドが高くて0フレットから弦が浮いているので、ストリングガイドに切込みを付ける。
1弦‐4弦で14.0mm。弦間ピッチは14.0÷3で4.6mmが適切だ。


3.ペグ
ツマミは表側に付いている。かんたんに引き抜けます。
しゃらくせぇ工夫はせず、そのまんま使いましょう。
弦を穴に通し、さらにペグを押し込むと、最低限のトルクが得られます。

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裏で弦を結びつけます。
あまった弦は短くして、先はライターであぶって丸くしておきましょう。


そうして完成!要領よく進めば、作業は30分程度か。
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通常のウクレレ調弦と同じにするのが、ネックの強度的にも安全です。
もちろんテンションはユルユル(特に3弦)ですが、とりあえず音程は出せます。

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木目柄シートはシールはがし液をつかって除去可能。音的には、はがさない方がマイルドです。
すると、こういうルックスになります。おいおいレインソングのギターかよ。
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こうなると、海、プール、お風呂でも使えるなぁ...はっ!

...。oо○ 回想 ○оo。...
20年ほど前・会社員の頃、樹脂製のウクレレペグ、ブリッジがリペアパーツにあったので、レジン(合成樹脂)でウクレレ本体を作ったことがあります。

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「レジャー用の耐水ウクレレ」を会社に提案し、周囲にはウケたものの、「んで、どこの工場で作んのよ、んあぁ?」みたいなことで、ボツになりました。
まぁ、そこを乗り越えるほどの「熱」も自分になかったかなぁ、と。

...。oо○ それはともかく ○оo。...

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酷暑の折、どうぞご自愛ください。
<以上>
posted by Satoshi Orisaka at 14:45| 製作

2018年07月08日

読売テレビ『クチコミ新発見!旅ぷら』

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<TV放送予定>(近畿広域圏+地方6局)
7月15日(日)午前10:55-。30分番組。
明日香弦楽器が紹介されます。
―――――
ということで、当工房については正味2分弱でしたが、無事放送されました。
(番組HP:過去の旅 http://www.ytv.co.jp/tabipura/backnumber/20180715.html
<以下、低解像度静止画像。数を絞ったつもりなので、制作関係者さん、お許しを>

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田中昌之さん、野村義男さんが工房訪問。
田中さんは8年ほど前、ライブで拝見したことがあり、声量もルックスも昔と変わらず、驚き・感心した思い出があります。
その時は「Honky Tonk Women」や“ユーはショック!!”などを歌われていました。

野村義男さんはホントに楽器店/工場めぐりがお好きなようで、10年ほど前、私が当時勤めていた楽器商社に来られたことがあります。
エンリケさん(バービーボーイズ、浜崎あゆみサポート)から紹介されたんでしょうね。

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ダブルネック・テナーウクレレは撮影の翌日、工房に来訪された香港の商社さんに販売され、今は海を渡っております。

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U2B琵琶ウクレレ伴奏によるハニードリッパーズ/ロバート・プラントの「シーオブラブ」。
MTV世代にはたまらん、シンプルだけど大好きな曲なんですよねぇ。田中さんはちょっとした待ち時間に見せる立ち姿も、ロバート・プラントっぽかったです。


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撮影風景。とんでもねぇ山奥っぽい映りですね。
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同放送で紹介された橿原市のイタリアン料理店「トラットリア前澤」さん。

これもご縁ということで、ご愛用のギターを一時調整等でお預かりしました。
矢沢永吉さんの大ファン。唄声も近いし、クルマもこんな感じ。(Facebook画像より) フロントもカッコ良かったですよ。
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長渕剛等々、同性でずーっと心酔できる対象があるって楽しいですよねぇ。
<以上>
posted by Satoshi Orisaka at 12:08| メディア