2021年06月09日

長谷寺・わらしべ長者

奈良県桜井市の長谷寺(はせでら)は「花の御寺」として、また399段の登廊でも知られる人気の観光地。
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お寺めぐりの趣味がない私でも、高低差のある境内の景観はとても素晴らしいと思いました。

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階段も思ったほどドぎつくないし、休憩所等の設備も充実。ご本尊(十一面観世音菩薩)も厳粛かつ荘厳でした。
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さて、長谷寺は昔ばなし「わらしべ長者」の原作の舞台として、『今昔物語集」「宇治拾遺物語」で取り上げられています。

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仁王門から出てワラを拾い、善意の物々交換をしながら北上し、最終的には京都の九条にいたる行程約70キロメートルのロードストーリー。

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(写真:パンフレットより)
原作での主人公は観音像の前に居座る、ただただ迷惑で面倒なヒトだが、ともかくは観音様にすがることによって貧乏という宿命/カルマからの脱出を果たす仏教説話です。

一方、アンデルセンの童話「マッチ売りの少女」の解釈/教訓の一つに「貧乏人にとって幸福は死によってのみ得られる」という見方があるようです。
放送大学ラジオ『人間にとって貧困とは何か』(西澤晃彦)は宿命論に社会学としてカウンターをぶちかます、切り口・語り口がなかなか素晴らしい内容です。いろいろ考えさせられますねぇ。(身につまされるというか...)
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長谷寺門前。いつでもコケられる態勢でワラを探したが、まったく落ちてません。

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日々、地道にやっていくしかないかぁ...。
<以上:明日香弦楽器
posted by Satoshi Orisaka at 17:32| 地域

2021年04月23日

飛鳥川上流短時間キャンプ

世は空前のキャンプ/アウトドアブーム。芸能人のYouTubeやら「ゆるキャン△」なども大人気。

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近くのホームセンターの農業&園芸館は、まるごとアウトドア用品ショップに転換。
ウチの集落には実直に農業に取り組んでいらっしゃる方が多いもので、キャンプやアウトドアなんぞ、自然と向き合う姿勢がすんげぇ軽薄なようにも思える。

ただまぁ、家から離れた野外で飲み食いするのは確かに良さげだが、50なかばの一人モンがゴソゴソしている姿は、はたから見ると超絶キモかろうし...。
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買っちった。
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ウチから直線距離で約2キロの飛鳥川上流。

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稲渕(いなぶち)・栢森(かやのもり)・入谷(にゅうだに)の奥明日香3地区は「神奈備の郷(かんなびのさと)」と称され、河川整備や各種事業が進められている。

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この地帯は現時点でも出入り可能。トイレはないが、短時間の滞在をするのに最適な場所といえる。

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ちょっとした滝。ほどよい音量だ。

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カワムツだかアブラハヤの幼魚。しっかりガサればヨシノボリ(ハゼの一種)もみつかるらしい。

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これはだいぶ前に琵琶湖博物館で撮ったヨシノボリ。なんとも愛嬌のあるツラですよね。

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軽食、そしてコーヒーで一服。
ホットサンドプレートでパンを焼くと、まさしく外サクサク中フワフワで、メチャメチャうまい。
コンビニのサンドイッチも試したが、味が濃すぎてイマイチ。シンプルにとけるチーズを食パンではさむだけ、くらいがちょうど良いような。

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ちっちゃい豚まん。あら、焼き目がキュート!

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ところで、自然の中でのギター演奏は絵柄としては有りだが、意外に響き渡らないわ音は小さく感じるわで、実はあんまりおもしろくない。(ここから近い場所で8年前に撮影)

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ただ今回、クルマのハッチバックに座って弾くと、音の反射がちょっとだけ室内っぽくなり心地よかったです。
ぶつける可能性や、温度湿度の問題もあるので、持ってゆくなら使い古した楽器の方がいいかもしれません。

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平素はしない偽善プチ清掃。誰だよ牡蠣喰ってカラを捨ててったのは。

てなわけで、ほんの1時間ほどの滞在でしたが結構楽しめました。平日昼間でも5-10分に1台くらいクルマが近くを通ります。キモい奴がいるなと、やっぱり思われていたのでしょうか...。
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YouTuber楽器屋さんpid』による明日香弦楽器・工房取材の動画が公開されました。(全3回予定)
ご覧くださいませ。
奈良のギターブランド「明日香弦楽器」のアコギが良すぎました


<以上:明日香弦楽器

posted by Satoshi Orisaka at 22:42| 地域

2021年03月02日

鹿鳴(村産材使用)

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2021年の第7回「明日香の匠」展に出品した新作ギター「鹿鳴(村産材使用)」です。
ぜひ画像クリック・別ウィンドウで拡大表示してご覧ください。

ボディ456x314mm、弦長632.5mm、12フレットジョイントのいわゆるビンテージスモール/19世紀ギターサイズで、ブレーシングを含むほぼ全ての部材に明日香村産の木材を使用しています。
(スギ、ヒノキ、ヤマザクラ)

装飾図案の参照元は下記の通り;
口輪:法隆寺/東京国立博物館 「光背」C0044884・N-196_27
ボディパフリング:(花菱意匠)正倉院「紫檀螺鈿五絃琵琶」
 (菱-丸配置)アントニオ・ストラディバリ「サンライズ」
 (ボディ下部半円配置)名称不明・19世紀ギター
ブリッジ、表面板下部:正倉院「紫檀螺鈿五絃琵琶」
ボディサイド:正倉院「三合鞘御刀子」
背面・人物螺鈿:(笙、笛、太鼓)正倉院「墨絵弾弓」 (琴)正倉院「金銀平文琴」

白蝶貝を主に使用し、ボディパフリングの菱と丸はミミ貝。
ブリッジピン/エンドピン部を除き、加工した貝のパーツ点数は224個です。
また、貝への筋彫りも多数行っています。

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サイドバインディングには赤べっ甲セルを2枚使用して幅広に。
また着色バーチ薄板による装飾をサイドに施しています。
そしてこの「三合鞘御刀子」の図案を引用・再構成してホンシュウジカの角を表現したのが、指板のオリジナル・インレイです。

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ボディウェスト部にある4箇所の透明赤デザインもオリジナルのアイディアで、こういったアクセントや曲線に変化を加えるのはエレキギター的アプローチかもしれません。

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ナットとサドルには奈良県猟友会明日香支部からいただいた鹿の角を使用しています。

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サウンドホール内側にも赤べっ甲セル。指板セルのカド部は熱で曲げました。

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背面。板目のヒノキに詩文を掘り込み、アンバーのオイルステインとつや消しクリアで塗装。掘り込み具合をしっかりと残しつつ、文字を明瞭に仕上げています。

詩文は孔子が編纂した「詩経」からの引用。
「小雅 鹿鳴」はおおざっぱにいうと「宴会・もてなし」を表現した詩で、この楽器の装飾群も詩の内容や風情を意識して作っています。
鹿の鳴き声や楽器、儒教上の理想の政治などを深掘りすることもでき、詩経においても人気の収録作のようです。

明治期の「鹿鳴館」の名称も、この詩を元にしています。
鹿の鳴き声や楽器、詩そのものについてはまた別の機会に。

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製作工程など。
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実は展覧会に間に合わせるための仮組み状態で、まだ音は出していません。
現在はいったんバラしてやや雑だった塗装をし直しているのですが、ハコとしてはちゃんと鳴るようなので、さきざきは弾ける楽器として完成させます。
明日香弦楽器の型番としては「Model 300」とし、今後も同シェイプのギターを作っていく予定です。

<以上:明日香弦楽器
posted by Satoshi Orisaka at 16:28| 製作